睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)

2021-05-27
いびき、夜間の頻尿、日中の眠気や起床時の頭痛などで悩んでいませんか。日中の眠気は、作業効率の低下、居眠り運転事故や労働災害の原因にもなり要注意です。また、SASでは、血液中の酸素不足から赤血球数が増えすぎ、ドロドロした血液になってしまいます。高血圧、脳卒中、心筋梗塞などを引き起こす危険性が約3~4倍高くなり、動脈硬化のリスクがSASだけでも高くなります。10秒以上気道の空気の流れが止まった状態を無呼吸とし、一晩(7時間の睡眠中)に無呼吸状態が30回以上、または1時間あたり5回以上あれば、睡眠時無呼吸であると診断されます。男性の約3~7%、女性の約2~5%に、特に40歳~50歳代男性の半数に見られると考えられています。肥満症や脂肪肝を認める患者にも非常に多いです。是非一度SASの検査を受けてみてください。
 携帯型装置による簡易検査で無呼吸低呼吸指数(AHI)が40以上(重症SAS)の場合、経鼻的持続陽圧呼吸療法(Continuous positive airway pressure:CPAP)が標準的治療とされています。CPAPはマスクを介して持続的に空気を送ることで、狭くなっている気道を広げる治療法です。問題は、AHIが40未満の方で上記症状を認める方は、以前は病院に1泊2日入院して睡眠ポリグラフ検査(PSG)といった脳波などを測る装置をつけて精密検査をする必要がありました。しかし、当院では、スリーププロファイラーPSG2という精密検査システムを導入し、ご自宅で装着して頂いた後に、回収し解析するシステムを導入しています。そしてこの検査でAHIが20以上(中等症と重症)の患者さんには、CPAPで治療します。
 原因除去やCPAP治療で改善を目指しますが、実臨床では困難なケースもみうけられます。そこで、当院は、自費にはなりますが、Snoozeal@といった舌筋肉刺激トレーニング機器を推奨し、SAS治療の選択肢の一つとしています。