スルフォラファン (Sulforaphane:SFN)

2021-05-27
カゴメのCMでおなじみかもしれませんが、ファイトケミカルの一種で、ブロッコリーの新芽(スプラウト)などに多く含まれる抗酸化物質です。私は、2013年からこの成分に対する研究に携わり、2015年に成果を論分にし(Kikuchi M, World J Gastroenterol.)、2020年からはカゴメのCMに出演させて頂いています。
この成分は1974年より研究されており、発がん予防効果から始まり、花粉症予防、ピロリ菌除去、自閉症予防、美肌効果など様々な効用がいわれてきましたが、私が注目したのは、肝機能障害をもつ脂肪肝患者の肝機能改善効果でした。肝機能マーカーであるALTおよびγ-GTPの値を下げる効果があることを報告しました。本研究結果により、カゴメのサプリメントであるスルフォラファンは、“中高年世代の肝臓の健康状態を示す一指標の改善”効果として、機能性表示食品と認定され、パッケージの表面にも提示されています。実臨床においても、最初のステップとして、食事運動療法を指導するうえで、副作用の少ない食品であるSFNは、重要な治療選択です。
 また、最近は、別の研究で、SFNの睡眠に与える影響を調べたところ、夜9時前後の睡眠ホルモンであるメラトニンの産生が亢進していることがわかり、”メラトニン産生促進剤及び睡眠の質改善剤”という新たな効用がわかり、私が発明者として特許を獲得しております。