逆流性食道炎(胃食道逆流症)(gastroesophageal reflux disease:GERD)

2021-05-27
食後に胸焼けがする、ゲップが出たり、喉に酸っぱいものや苦いものがこみ上げてくる感じがする、咳が続き眠れない……。こうした症状はGERDを疑う症状です。胃酸や十二指腸液が、食道に逆流することで、食道の粘膜を刺激し粘膜にびらん・炎症を引きおこす病気です。重症度に応じて、食道に生じる傷の程度も違うために、内視鏡的に逆流所見を確認する必要があります。内視鏡で異常がない(炎症が確認できない)が逆流性食道炎の典型的な症状があるものをNERD (non-erosive reflux disease)と呼びます。胸やけを有する例の70%はむしろこちらが多く、食道の知覚過敏やストレスなどが影響しています。治療はプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor:PPI)という内服薬が第一選択となります。
 逆流性食道炎の炎症を放置すると、胃食道接合部にバレット食道といわれる、将来的に食道腺がんが発生しやすい粘膜変化が起こることが知られています。定期的な内視鏡検査が重要です。