線維筋痛症とは

2021-05-06
全身の筋肉や関節に強い痛みを自覚します。
しかし、診察上、局所の腫れや、赤み、熱など、特別な異常は認められません。また、検査をしても異常を認めません。したがって、どこに行っても痛みの原因がわからないと言われます。こうした症状を訴える患者様の中に線維筋痛症といわれる病態があることが、認識されるようになってきました。中高年の女性に多いといわれていますが、男性にも、そのほかの年齢層の方にも生じます。痛みが強いにもかかわらず、医療機関や家族からもなかなか理解してもらえず苦しまれていることも少なくありません。自律神経失調症、更年期障害、不定愁訴などと診断されている場合もあります。この病気で内臓病変を起こすことはありませんが、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群などの膠原病やそのほかのいろいろな病気の経過中に現れることも知られています。
病気の原因はまだ解っていません。疼痛を感じる中枢神経の回路に異常があるのではないかとも言われています。
症状の多くは全身の痛みですが、ときに、体の一部の痛みである場合もあります。しばしば、睡眠障害やだるさ、微熱などの症状も伴います。精神的・肉体的ストレスがきっかけになったと考えられる場合もあります。また、こうした睡眠障害やストレスが症状の持続・増悪に影響していると考えられることも少なくありません。
診断は特異的な検査異常がなく、症状、診察所見(特徴的な圧痛点があります)などを総合して判断することとなります。
治療は、まず、ストレス、睡眠障害などの改善に努めます。症状が強く、日常生活に大きな負担になっている場合には、薬での治療を行います。消炎鎮痛薬(一般の痛み止め)も用いますが、効果が得られることはあまりありません。このため、疼痛神経の緊張を抑える薬や、脳内の痛みの神経の働きを抑える作用のある向精神薬(精神安定剤、抗うつ薬など)を用います。向精神薬は精神疾患に対する治療というわけではなく、あくまで、痛みのコントロールを目的に使用されます。
こうした病気を認識し、適切な治療を行うことで、多くの患者様で症状の改善が認められます。