ベーチェット病は若い人に多い病気です。女性にも男性にも起こってきますが男性のほうに重症例が多く見られます。
ベーチェット病でなんといっても重要な病変は目の病気(ぶどう膜炎)です。目がかすんだり、痛んだりします。最悪の場合は、失明に至ります。こうした目の病変は特に男性に多く見られます。幸いにして、治療法の進歩もあり失明に至るような重症な患者様はとても少なくなってきました。しかし、今でももっとも重要な病変であることは変わりありません。
ベーチェット病で最も多く見られる症状は口内炎です。アフタ性口内炎といって丸くえぐれたような口内炎が見られます。痛みを伴います。このほか、外陰部の潰瘍(痛みのある傷)、皮膚の症状(にきびのような発疹や、足を中心とした赤い発疹(少ししこった感じで、抑えると痛みがあります))、関節炎、下肢の血栓性静脈炎(足が腫れて痛みます)も起こってきます。
まれですが、内臓型ベーチェットといって消化管、神経、血管(動脈・静脈)に病変が起こる場合があります。
ベーチェット病の治療は、ぶどう膜炎や内臓病変がない場合には、対症的な治療が中心になります。ぶどう膜炎に対しては、その程度により、免疫抑制薬を中心とした投薬治療が必要になる場合があります。内臓型ベーチェットにはステロイド薬や免疫抑制薬が用いられます。コルヒチンやサラゾスルファピリジンといった薬も用いられることがあります。
ベーチェット病で特に強調したいのは禁煙の重要性です。重症にいたる患者様の多くは喫煙をしている方に見られます。喫煙はぜひ避けるべきです。